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夏の甲子園をテレビで見ていると、5回が終わったところで試合が少し止まることがあります。これが「クーリングタイム」です。何分あるのか、その間に選手は何をしているのか、気になったことはありませんか。
この記事では、日本高等学校野球連盟(日本高野連)の公式サイトに掲載されている「全国高校野球選手権大会(阪神甲子園球場)の主な暑さ・健康対策」(2026年7月24日更新)をもとに、クーリングタイムと夏の甲子園の暑さ・健康対策を5つのポイントで整理します。後半の、観戦するときに見ておきたいことは、この記事の提案です。
※この記事は、第108回全国高校野球選手権大会(2026年)時点の日本高野連の発表をもとにしています。大会ごとに取り組みが変わることがあるため、現在の内容は日本高野連の公式サイトで確かめてください。
クーリングタイムとは
5回終了後の暑さ対策の時間
日本高野連の公式サイトでは、夏の甲子園では5回終了後、暑さ対策に特化した時間(クーリングタイム)を設けていると説明されています。
105回大会から導入
クーリングタイムは105回大会(2023年)から導入されました。当初は10分間でしたが、短縮しても効果は見込めるため、107回大会(2025年)から8分間としたと書かれています。
選手はクーリングスペースへ
クーリングタイムの間、選手は全員、ベンチ裏の冷房がきいたクーリングスペースに移動すると説明されています。
| 項目 | 日本高野連の発表 |
|---|---|
| タイミング | 5回終了後 |
| 導入 | 105回大会(2023年)から |
| 時間 | 当初10分間、107回大会から8分間 |
| 場所 | ベンチ裏の冷房がきいたクーリングスペース |
クーリングタイムの5つのポイント
1. 理学療法士の指導で体温を測る
日本高野連の発表では、クーリングスペースでは、理学療法士の指導のもと、サーモグラフィーによる体温測定が行われると書かれています。
2. 着替える
選手はクーリングタイムの間に着替えをします。アンダーシャツだけでなく、ユニホームも着替えられるよう、106回大会から背番号を2枚配布していると説明されています。
3. 手のひらや首を冷やす
手のひらや頸部などの冷却も行われます。理学療法士は、冷えたペットボトルを握ったり、手のひらで転がしたりする「手のひら冷却」を選手に推奨していると書かれています。
4. 飲み物をとる
アイススラリーやスポーツドリンク、経口補水液の摂取なども行われます。選手用のスポーツ飲料、アイススラリー、経口補水液は、ベンチ裏に常備されているとされています。
5. 地方大会にも広がっている
日本高野連の発表では、各都道府県の地方大会でも、5回終了時にクーリングタイムや休憩時間を設けることが定着してきていると書かれています。
5つのポイント早見表
| ポイント | 日本高野連の発表 |
|---|---|
| 体温測定 | 理学療法士の指導のもとサーモグラフィーで |
| 着替え | ユニホームも着替えられるよう背番号を2枚配布 |
| 冷却 | 手のひらや頸部などを冷やす |
| 飲み物 | アイススラリー、スポーツドリンク、経口補水液 |
| 地方大会 | クーリングタイムや休憩時間が定着してきている |
アイススラリーとは
スポーツ飲料などをシャーベット状にしたもの
日本高野連の発表では、アイススラリーはスポーツ飲料などをシャーベット状に凍らせたものと説明されています。日本高野連は、飲むことで深部体温を下げる効果があるとしています。
試合中にも摂取を促す
理学療法士が、試合前のほか、試合中にも2〜3回程度、摂取を促していると書かれています。
熱中症予防の特設ページ
日本高野連と朝日新聞社は、日本高野連のサイト内に特設ページ「深部体温を下げて 熱中症を防ごう!!」を設けています。2026年7月には、アイススラリー編と手のひら冷却編の啓発動画も作成したと発表されています。※体調に不安がある場合は、医師など専門家に相談してください。
試合の時間帯の工夫
2部制
日本高野連の発表では、暑さ対策、選手の負担軽減のため、106回大会から観客入替を伴う2部制を導入したと書かれています。108回大会では第3日〜第8日が2部制で、第1、2日と第9、10日も2部制の夕方あるいは午後と同様の時間帯で試合を行い、2部制の時間帯での開催は10日に増えるとされています。
午後の部は午後1時半から
2部制で1日4試合を行う場合は、朝の部(第1試合)のあとに観客入替を行い、午後の部は午後1時半から3試合を行うと説明されています。近年、選手の熱中症疑いの発生が多かった時間帯の試合を避けるためとされています。
夕方の開会式
107回大会では、開幕日の試合の負担を軽減するため、大会史上初めて夕方に開会式を行ったと書かれています。108回大会も「夕方開幕」を継続し、8月5日の第1日は午後4時から開会式、午後5時半から1試合を行うとされています。
| 取り組み | 日本高野連の発表 |
|---|---|
| 2部制 | 106回大会から導入、108回大会は第3日〜第8日 |
| 午後の部 | 午後1時半から3試合 |
| 開会式 | 107回大会から夕方に実施 |
選手を支えるそのほかの対策
ベンチ入り選手は20人
105回大会から、それまで18人だったベンチ入り選手を20人に拡大したと書かれています。投球数制限の導入により多くの投手をベンチ入りさせる必要性が増していることや、障害予防や暑さ対策のため、試合に出ている9人以外の選手の役割が増えていることを考慮したとされています。
試合前ノックは選択制
107回大会から、試合前の守備練習(ノック)を行うか行わないかを、チームが選択できるようにしたと説明されています。ノック時間も2分短縮して5分としたとされています。
補食の提供
106回大会から、球場到着後に栄養補給できるよう補食を導入したと書かれています。107回大会からは、すべての試合を対象に、おにぎり、パン、ゼリータイプの栄養食品、100%果汁を提供し、108回大会でも同様の補食を提供するとされています。
理学療法士と救護室
一般社団法人「アスリートケア」所属の理学療法士12人前後が連日球場に詰め、選手の体調管理を担当していると説明されています。また、大会中は球場敷地内に救護室を設置し、内科医2人と看護師2人が体調不良者らの診療にあたっているとされています。
大会ごとの主な変化
日本高野連の発表に書かれている取り組みを、導入された大会ごとに並べると、次のようになります。
| 大会 | 主な取り組み(日本高野連の発表より) |
|---|---|
| 104回大会 | 一般向けの入場券を原則インターネット販売による全席指定・前売りに |
| 105回大会 | クーリングタイム導入(10分間)、ベンチ入り選手を20人に拡大 |
| 106回大会 | 2部制の導入、背番号を2枚配布、補食の導入、塁審の白シューズ |
| 107回大会 | クーリングタイムを8分間に、夕方の開会式、ノックの選択制、球審も白シューズ・白帽子 |
| 108回大会 | 2部制の時間帯での開催を10日に拡大、夕方開幕を継続 |
暑さ指数の測定
試合開始前の本塁付近、外野芝上のほか、一、三塁側アルプス席など観客席の複数地点で、定期的に暑さ指数(WBGT)と気温を測定していると説明されています。必要に応じて、当該試合の審判委員やチーム付き本部委員らに注意喚起を行うとされています。
試合後のクーリングダウン
試合後には、コンディション維持や故障予防のため、約20分をかけて選手のクーリングダウンを指導していると書かれています。
試合前のアンケート
理学療法士は、試合前に熱中症の既往症の有無や睡眠、食事、体調不良について選手にアンケートを行ったうえで、試合中、試合後のケアにあたっているとされています。
阪神甲子園球場の設備
日本高野連の発表では、大会に特別協力している阪神甲子園球場の近年の主な暑さ対策も紹介されています。
- 2019年:場内通路にエアコン28台を増設、各入場門に壁付け扇風機12台を設置、両アルプス席床面に遮熱塗装、内野デッキゲートにミスト噴霧器を設置
- 2020年:駅前広場に日除け材を設置
- 2021年:場内通路に天吊りファン10台を設置
- 2024年:両ベンチ内及びベンチ裏のエアコンを増設、両アルプス席遮熱塗装面を拡張
審判委員と応援団の対策
審判委員は白シューズ・白帽子
106回大会から塁審のシューズを白とし、107回大会からは球審も白シューズをはき、球審・塁審とも紺だった帽子も白としたと書かれています。
学校応援団の休憩所
主に学校応援団の生徒向けに、一、三塁側アルプス席そばに空調がきいた応援団臨時休憩所を設けているとされています。待機する学校応援団のために、日よけテントや扇風機、ミスト扇風機、ダクトクーラーも設置していると説明されています。
観戦するときに見ておきたいこと
ここからは、日本高野連の発表をもとにした、この記事の提案です。
5回終了後の時間を知っておく
クーリングタイムがあることを知っておくと、テレビやラジオで観戦しているときに、5回が終わってから試合が再開するまでの時間の流れがわかりやすくなります。
背番号やユニホームの変化に注目
ユニホームも着替えられるよう背番号が2枚配布されていることを知っておくと、6回以降の選手の様子を見るときの楽しみがひとつ増えます。
観客も暑さ対策を
日本高野連の発表では、場内でアナウンスやオーロラビジョンで水分補給や休憩を呼びかけているとされています。球場で観戦するときは、呼びかけに合わせて、こまめに休憩をとりましょう。
よくある質問
クーリングタイムは何分?
日本高野連の発表では、当初は10分間でしたが、107回大会から8分間としたとされています。
いつから始まった?
105回大会(2023年)から導入されたと書かれています。
選手はどこにいる?
選手は全員、ベンチ裏の冷房がきいたクーリングスペースに移動するとされています。
ベンチ入りは何人?
日本高野連の発表では、105回大会からベンチ入り選手を18人から20人に拡大したとされています。
地方大会にもある?
日本高野連の発表では、地方大会でも5回終了時にクーリングタイムや休憩時間を設けることが定着してきているとされています。実施の有無は大会ごとに確かめてください。
高校野球のクーリングタイムは5回終了後の8分間
夏の甲子園のクーリングタイムは、5回終了後に設けられる暑さ対策の時間で、105回大会から導入され、107回大会から8分間になりました。選手はベンチ裏のクーリングスペースで、体温測定、着替え、手のひらや頸部の冷却、アイススラリーなどの摂取を行います。2部制やベンチ入り20人など、ほかの対策とあわせて知っておくと、観戦がもっとわかりやすくなります。